Master Stars Piece 悟空のリペイント作例を基に、ラッカー系塗料だけを使った塗装方法を解説します。
この記事はYouTubeでフィギュアのリペイント動画を投稿しているAtsuki Artチャンネルが監修しています。
リペイント動画はコチラ(part1 , part2)(YouTubeリンク)
【フィギュアのリペイント方法】ドラゴンボール『悟空』を塗装してみた

下地塗装、色塗装、トップコートまですべてエアブラシ塗装しました。色の塗り重ね方は「ラッカー系だけを複数に渡って重ねる」という方法を取っています。
使用塗料
- Mr.サーフェイサー1200(GSIクレオス)
- 黄橙色 半光沢/58/ラッカー系(GSIクレオス)
- レッド 光沢/3/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
- つや消しブラック つや消し/33/ラッカー系(GSIクレオス)
- Mr.ベースホワイト1000 (GSIクレオス)
- Mr.スーパークリアー半光沢(GSIクレオス)
使用している塗料の種類は少ないですが、配色が大胆なので見栄えがします。
全体手順
リペイントの手順はマスターリペイントが推奨している手順どおりです。
- (リペイントの工程を把握する)
- フィギュアの材質を確認する:PVC
- 使用する塗料を選ぶ:ラッカー塗料
- フィギュアを分解する:目のみマスキング
- フィギュアを洗浄する
- プライマーで下地塗装する
- ホワイトで下地塗装する:服装のみ
- 塗料を塗り重ねる:ラッカー塗料
- 塗料を希釈する
- 表面処理する:半光沢でトップコート
では、パーツごとに塗装の手順(7,8)を見ていきましょう!
悟空のフィギュアをリペイントする手順
ここから塗装手順が長々と続きますが、今回のポイントは”暗”を塗装した後で、”明”を塗装するです。今回の塗装例の場合ですと、”暗”は赤色、”明”は黄色になります。こうすることで”明”の印象を際立たせることができます。逆に、「”明”を塗装した後で、”暗”を塗装する」と”暗”の印象が際立ちます。
塗装の順番を「明→暗」か「暗→明」にするかで作品全体のイメージを操作しているのです。
ラッカー塗料で頭部を塗装する手順

使用塗料
①Mr.ベースホワイト1000 (GSIクレオス)
②黄橙色 半光沢/58/ラッカー系(GSIクレオス)
③レッド 光沢/3/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
手順
全体にベースホワイト(①)を広く薄くエアブラシ塗装。

全体に黄橙色(②)をエアブラシ塗装。

髪の根本から毛先に向けてグラデーションが出るようレッド(③)をエアブラシ塗装。

毛先に薄くベースホワイト(①)をエアブラシ塗装。

ラッカー塗料で顔面を塗装する手順
顔面の下から上に向け、黄橙色(②)を薄くエアブラシ塗装。

ラッカー塗料で上半身を塗装する手順

使用塗料:
①Mr.ベースホワイト1000 (GSIクレオス)
②レッド 光沢/3/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
③黄橙色 半光沢/58/ラッカー系(GSIクレオス)
④つや消しブラック つや消し/33/基本色/ラッカー系 (GSIクレオス)
ラッカー塗料で道着(黄色)を塗装する手順
塗装の手順
全体にベースホワイト(①)を広く薄くエアブラシ塗装。

レッド(②)を道着の凹部分にエアブラシ塗装。(必要に応じてマスキング)

→先のレッドを残しつつ黄橙色(③)を道着にエアブラシ塗装。

道着の影となる箇所にブラック(④)を薄く部分的にエアブラシ塗装。

道着の縁にベースホワイト(①)を薄く部分的にエアブラシ塗装。

ラッカー塗料で道着(青色)を塗装する手順
塗装の手順
全体にベースホワイト(①)を広く薄くエアブラシ塗装。
レッド(②)をエアブラシ塗装。

→腕や道着の凹部分の影となる箇所にブラック(④)をエアブラシ塗装。
→下から光が当たるイメージで、道着の下方から黄橙色(③)をエアブラシ塗装。

ラッカー塗料で肌を塗装する手順
→レッド(②)とブラック(④)を凹部分に部分的に薄くエアブラシ塗装。

下から光が当たるイメージで、黄橙色(③)を下方からエアブラシ塗装。

ベースホワイト(①)を凸箇所に部分的に薄くエアブラシ塗装。

ラッカー塗料で下半身を塗装する手順

使用塗料
①Mr.ベースホワイト1000 (GSIクレオス)
②レッド 光沢/3/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
③黄橙色 半光沢/58/ラッカー系(GSIクレオス)
④つや消しブラック つや消し/33/基本色/ラッカー系 (GSIクレオス)
ラッカー塗料で道着(黄色)を塗装する手順
上半身の道着(元黄色)の塗装手順と同様です。ベースホワイト(①)→凹箇所にレッド(②)→凸箇所に黄橙色(③)→凸箇所にベースホワイト(①)
ラッカー塗料でブーツを塗装する手順
元の赤いラインをマスキング
→レッド(②)をエアブラシ塗装。

→黄橙色(③)を凸箇所に薄くエアブラシ塗装。
まとめ
いかがでしたでしょうか。分解してみると意外にもパーツが多く、塗装手順も一見複雑そうですが、実際のところ”暗”のレッドとブラックを塗装した後に、”明”の黄橙色とベースホワイトを塗装しているだけでした。「明るい色から塗装する」のか「暗い色から塗装する」のかで作品全体のイメージが大きく変わることに注意してみてください。
フィギュアのリペイントというと身構えてしまうかもしれませんが、紙に絵を描くときと同様です。自分の思う色になるまで色を重ねることが大切です。もし、途中で失敗したら、上からベースホワイトを吹いてやり直すか、溶剤に浸けて塗料を落とせばいくらでもやり直しが効きます。