
・キャンディ塗装のやり方を知りたい。
・台座の塗装方法を知りたい。
造形天下一武道会4 悟空のリペイント作例を基に、
- キャンディ塗装のやり方
- ラッカー系とアクリル系とエナメル系塗料の3種類を使った塗装方法
を解説します。
キャンディ塗装とはメタリックカラーの上からクリアーカラーを塗ることで、飴(キャンディ)のように透明感のあるキラキラした色彩をつくる塗装です。台座のみのリペイントですが、いろいろと詰め込んでいます。(フィギュアは全くリペイントしていません)
小道具の精密さと悟空の造形の安定したバランス感が絶妙で素晴らしいフィギュアです。まったり系悟空フィギュアの中でも最高峰の原型と言えます。
この記事はYouTubeでフィギュアのリペイント動画を投稿しているAtsuki Artチャンネルが監修しています。
リペイント動画はコチラ(YouTubeリンク)
【フィギュアのリペイント方法】ドラゴンボール『悟空』をキャンディ塗装
下地塗装、トップコートはエアブラシ塗装しました。ロゴについては基本的にエアブラシ塗装ですが、赤色は一部、筆塗装です。色の塗り重ね方は「ラッカー系の上にアクリル系の上にエナメル系を重ねる」という方法を取っています。
台座が白いため、当時はリペイントしたフィギュアがヤフオクでたくさん出回っていました。ここまで白いと「塗ってくれ」と言っているようなものですね。造形天下一武道会の中でも、唯一「リペイントするのに抵抗がない」という珍しいフィギュアです。
使用塗料
左から順に
- オレンジ 光沢/59/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
- イエロー 光沢/4/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
- イエローグリーン 光沢/16/基本色/アクリル系(GSIクレオス)
- フラットレッド つや消し/XF-7/エナメル系(タミヤ)
- シルバー メタリック/Ex-07/ラッカー系(ガイアカラー)
- ブライトレッド 光沢/003/基本色/ラッカー系(ガイアカラー)
- クリアーブルー クリアー/044/基本色/ラッカー系(ガイアカラー)
- ブラック 光沢/2/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
- ( Mr.ベースホワイト1000(GSIクレオス) )
- ( Mr.スーパークリアーUVカット つや消し(GSIクレオス) )
( 8のブラックは写真に映っていませんでした。)
全体手順
リペイントの手順はマスターリペイントが推奨している手順どおりです。
- (リペイントの工程を把握する)
- フィギュアの材質を確認する:ABS
- 使用する塗料を選ぶ
- フィギュアを分解する
- フィギュアを洗浄する
- プライマーで下地塗装する
ホワイトで下地塗装する- 塗料を塗り重ねる:ラッカー塗料 → エナメル塗料・アクリル塗料
- 塗料を希釈する
- 表面処理する:ロゴ文字につや消しトップコート
元々が白いため、ホワイト(7)は使用していません。プライマーの上へ塗料を乗せていきました。では、パーツごとに塗装の手順(8)を見ていきましょう!
キャンディ塗装のやり方(台座側面)
まずはじめに、キャンディ塗装のやり方について順番に解説します。キャンディ塗装で使うのは3種類の塗料です。今回は下記の①②③を使いました。青色のキャンディカラーにしたかったため、クリアブルーを選んでいます。
①ブラック 光沢/2/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
②シルバー メタリック/Ex-07/ラッカー系(ガイアカラー)レッド
③クリアーブルー クリアー/044/基本色/ラッカー系(ガイアカラー)
下記の1、2、3を順番に塗装すればキャンディ塗装が完成します。
- 光沢タイプのブラック(①)
- シルバー系のメタリック塗料(②)
- クリアカラー(③)
光沢タイプのブラックを塗装する
キャンディ塗装の第1段階はシルバーの下地塗装です。全体に光沢のブラック(①)を広くエアブラシ塗装します。つや消しではなく光沢の黒色を使いましょう。
メタリック塗料(シルバー)を塗装する
キャンディ塗装の第2段階はメタリック塗料の塗装です。シルバー(②)をエアブラシ塗装します。メタリック塗料を塗装するときはノズル系が0.3mm以上のエアブラシを使ってください。0.2mmだとノズル詰まりが起こりやすいです。
クリアカラーをうすく塗装する
キャンディ塗装の第3段階はクリアカラーの塗装です。薄く広くクリアブルー(③)をエアブラシ塗装します。今回の塗装ではエアブラシで3回うすーくクリアブルーを重ねました。重ねる回数を増やすほど色彩が濃くなります。
以上でキャンディ塗装が完了です。
悟空 フィギュアの台座を塗装する手順
ラッカー塗料とエナメル塗料でロゴ文字を塗装する手順
使用塗料
①イエロー 光沢/4/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
②オレンジ 光沢/56/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
③ブライトレッド 光沢/003/基本色/ラッカー系(ガイアカラー)
④フラットレッド つや消し/XF-7/エナメル系(タミヤ)
塗装の手順
全体にイエロー(①)をエアブラシ塗装。
ロゴの下半分にオレンジ(②)をグラデーションをかけつつエアブラシ塗装。
ロゴの側面と貫通部分(「D」や「R」などの穴となる箇所)にブライトレッド(③)をエアブラシ塗装。このとき、ロゴの裏面から薄く弱くエアブラシ塗装しましょう。そうすることで、ロゴの表面へ赤色が飛ぶのを防ぐことができます。
ロゴが出っ張っているため、出っ張った箇所の側面へブライトレッド(③)を筆塗装します。ロゴの表面に赤色が飛ばないようにマスキングし、慎重にロゴ側面を筆塗装します。
エナメル塗料のフラットレッド(④)で凹箇所へ赤色を筆塗装します。はみ出した箇所は後で落としますが、なるべくはみ出ないように注意してください。
下記写真の「A」は失敗しています。盛大に赤色がはみ出てますね。筆に塗料を含めすぎたのが原因です。ここまではみ出ると、色を落とすのが大変になってしまいます。
最後にエナメル溶剤を含ませた綿棒で優しくこすって、はみ出た赤色を取り除きます。
ラッカー塗料とアクリル塗料で台座(上面)を塗装する手順
使用塗料:
①Mr.ベースホワイト1000 (GSIクレオス)
②イエローグリーン 光沢/16/基本色/アクリル系(GSIクレオス)
手順:
ベースホワイト(①)をエアブラシ塗装。側面をキャンディ塗装しているうちに台座上面へ塗料が飛んでしまいました。(マスキングはちゃんとしましょう)。キャンディ塗装した側面へ白色がかかってしまうのを防ぐため、エアブラシを台座の中心部から外側へ向けて塗装しています。
イエローグリーン(②)をエアブラシ塗装。ベースホワイトはラッカー系塗料なので、そのままアクリル系塗料のイエローグリーン(②)を載せて完成です。
まとめ
本体(悟空)は塗装せず、台座のみのリペイントでした。しかし、キャンディ塗装を施し、3種類(ラッカー系・アクリル系・エナメル系)の塗料を使うなど、いろいろと詰め込んだリペイント作例でした。
キャンディ塗装は”3種類の塗料”を”3段階の順番”どおりに塗装すれば完成するシンプルな塗装方法です。最後にもう一度まとめておきます。ぜひ試してみてください。
- 光沢タイプのブラックを塗装する
- シルバー系のメタリック塗料を塗装する
- クリアカラーを塗装する