「ラッカー系塗料を買ったはいいけれど、どのうすめ液を使えばいいの?」
「塗料のメーカとうすめ液のメーカは同じじゃないとダメなの?」
様々なメーカーがたくさんの「ラッカー系塗料うすめ液」を販売しており、どれを使えばいいのか迷ってしまいませんか?
本記事では、ラッカー系塗料に使ううすめ液の種類と、うすめ液の選び方についてまとめました。
【フィギュアのリペイント方法】ラッカー塗料用うすめ液の種類まとめ
ラッカー系塗料のうすめ液はモデレイト溶剤がオススメ

結論から言うと、最もおすすめのラッカー系溶剤はガイアノーツのT-07 モデレイト薄め液です。特におすすめのポイントは下記の2点。
- 臭いが少ない
- 乾燥するのがやや遅い
欠点を上げるとすれば、他のうすめ液よりもやや値段が高いという点ぐらいでしょう。非常に優秀なうすめ液です。下記、他のメーカについても比較して解説しています。
ラッカー系塗料用のうすめ液は4種類ある
うすめ液とは塗料を薄めるための溶剤です。(以下、うすめ液と呼ぶことにします)。
ラッカー系塗料用のうすめ液は大きく分けると4種類あります。メーカによっては3種類だったりしますが、だいたい4種類です。この中から自分の塗りたい用途に合ったうすめ液を選びましょう。
- 普通(ノーマル)
- リターダー入り
- 速乾性
- メタリック塗料専用
普通(ノーマル)のうすめ液
もっともスタンダードなうすめ液です。大きく分けて3つのメーカがあり、amazonや某家電量販店で購入できます。
- Mr.うすめ液(クレオス)
- ラッカー溶剤(タミヤ)
- ガイアカラー薄め液 T-01h(ガイアノーツ)
この3つの中でのオススメはガイアカラー薄め液 T-01hです。ガイアカラー専用ではないため、他メーカのラッカー塗料にも使うことができます。溶剤としての力も強いです。
Mr.うすめ液(クレオス)
GSIクレオスより販売されているうすめ液です。 塗料をうすめるだけでなく、筆や用具を洗うこともできます。 内容量は50ml(小)、110ml(中)、250ml(大)、400ml(特大)。
塗他メーカのうすめ液と比べるとやや塗料の定着が弱いため、プラスチックを浸食しにくいです。汚れや塗料を塗り間違えたときの塗料落とし、筆洗いとして使うことができます。「Mr.カラー専用のうすめ液」と記載されていますが、他メーカのラッカー系塗料うすめ液としても代用可。
ラッカー溶剤(タミヤ)
タミヤから販売されているうすめ液です。タミヤ専用ではありません。正式名称は「タミヤ メイクアップ材シリーズ No.77 ラッカー溶剤」。性能はクレオスとほぼ同じです。”プラスチックを侵しにくい”とメーカーHPで明記されています。
ガイアカラー薄め液 T-01h(ガイアノーツ)
ガイアノーツより販売されているうすめ液です。ガイアカラー専用ではありません。内容量は250ml(中)、500ml(大)、1000ml(特大)。”溶剤系アクリル樹脂塗料(ラッカー系塗料)を薄めるための基本的な溶剤である(メーカHPより)”です。
クレオスのMr.うすめ液やタミヤのラッカー溶剤と比べて、やや溶剤の力が強いため、汚れ落としや塗料落としやの用途には向きません。本来のうすめ液の用途での使用がいいでしょう。
リターダー入りのうすめ液
リターダーが入っているうすめ液です。リターダー(:retarder)が入っていると普通のうすめ液よりも乾燥するスピードが遅くなります。乾燥を遅くさせることで、エアブラシで塗料を噴き付けた際に、溶剤(うすめ液)の揮発を遅くなり、塗料がフィギュアになじみます。塗装面をきれいに(平滑化)することができるのです。
反対に、乾燥が早いとエアブラシで塗料を噴き付けた際、希釈溶剤(うすめ液)がすぐに揮発します。塗料がフィギュアになじむ前に希釈溶剤がなくなるので、塗装面がザラつきやすくなってしまいます。
普通(ノーマル)タイプのうすめ液と同じで、大きく分けて3つのメーカがあり、amazonや某家電量販店で購入できます。
- Mr.レベリングうすめ液(クレオス)
- ラッカー溶剤 リターダー入り(タミヤ)
- ガイアカラー薄め液 T-06h ブラシマスター(ガイアノーツ)
クレオス Mr.レベリングうすめ液
GSIクレオスより販売されているリターダー入のうすめ液です。内容量は、110ml、400ml(特大)。メーカHPでは、特に「リターダー入り」とは明記されていませんが、”通常のうすめ液よりも乾燥時間がかかる”と記載されています。リターダー入りのうすめ液だと考えていいでしょう。
レベリング(:leveling)は「平滑化」という意味です。レベリングうすめ液とは「塗膜をきれいにする(平滑化する)うすめ液」という意味になります。
タミヤ ラッカー溶剤 リターダー入り
タミヤから販売されているリターダー入りのうすめ液です。最近になって販売が開始しました(2018年7月14日ごろ発売)。正式名称は「メイクアップ材シリーズ No.194 タミヤ・ラッカー溶剤(リターダー入り)」。内容量は、250ml。
ガイアカラー薄め液 T-06h ブラシマスター
ガイアノーツより販売されているリターダー入りのうすめ液です。ガイアノーツは「リターダー」ではなく「乾燥遅延添加剤」と呼んでいます。内容量は500ml、1000ml。
低臭タイプのうすめ液
低臭タイプを販売しているのはガイアノーツのみです。クレオスとタミヤからは発売されていません。
ガイアカラー薄め液 T-07 モデレイト溶剤
ガイアノーツのブラシマスターに香料を加えてシンナー臭を抑えたうすめ液です。内容量は500ml、1000ml。ただし、溶剤の成分自体はブラシマスターと変わらないので、臭いは穏やかですが、換気等のシンナー対策をする必要があります。
リターダーも入っているので、塗膜がきれいになります。ラッカー系塗料を使うのであれば最もおすすめのうすめ液です。
速乾性のあるラッカー系塗料うすめ液
クレオス Mr.ラピッドうすめ液。メタリック塗料を薄めるのに向いているうすめ液です。
まとめ
以上、まとめです。
- ラッカー系塗料におすすめの溶剤は、ガイアノーツのT-07 モデレイト溶剤
- ガイアノーツのモデレイト溶剤は香料入りで臭いが少ない
- ガイアノーツのモデレイト溶剤はリターダー入りで塗膜がきれい
エアブラシ塗装できれいな光沢の塗膜面をつくりたい、塗膜の質感にこだわりたいのであれば、ぜひリターダー入りのうすめ液を使ってみてください。
ぱっと見では、ノーマルタイプのうすめ液を使って塗装されたフィギュアと、リターダー入りのうすめ液で塗装されたフィギュアの違いは分かりません。しかし、近づいて細部を見たときに塗装面のザラつき方が明らかに違います。