⑧塗料を塗り重ねる

フィギュアをホワイトで下地塗装する方法については前回の記事:⑦ホワイトで下地塗装するを読んで分かった。次の工程「⑧塗料を塗り重ねる」について知りたい。塗料を塗る順番にどんなルールがあるんだろう?

この記事はYouTubeでフィギュアのリペイント動画を投稿しているAtsuki Artチャンネルが監修しました。

今回は塗料を塗り重ねる方法について解説します。

前回の記事がまだの方はコチラ>>

この記事を読むメリット
  • 塗料を塗り重ねる方法が分かる
  • 塗料を塗り重ねる順番が分かる

では、いきましょう!

 

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【フィギュア リペイントのやり方】塗料を塗り重ねる4つの方法

塗料の塗り重ね方はこの3通りで充分!

次の塗り方①~④のうち、どれかを選んで塗ってみましょう。

  • 塗り方①:下地 → ラッカー系
  • 塗り方②:下地 → アクリル系
  • 塗り方③:下地 → ラッカー系 → アクリル系
  • 塗り方④:下地 → ラッカー系 → アクリル系 → エナメル系

エアブラシが無いなら塗り方②がおすすめ。ラッカー系塗料は乾燥が早いため筆塗装には向きません。アクリル系塗料は筆塗装に向いてます。

下地の塗り方は塗装編のプライマーで下地塗装する方法ホワイトで下地塗装する方法を参考にしてください。  

 

塗り方①:下地 → ラッカー系

塗り方① 「下地」→「ラッカー系」

下地の上にラッカー系を重ねる塗り方です。「臭いがきつくても構わない」、「塗装ブースや防塵マスクがある」、「塗る色の種類が1種類」であれば、塗り方①を試しましょう。 参考リペイント動画(造形王 ゾロ造形天下一 悟空)では塗り方①を採用しています。

 

塗り方①のメリット

  • 塗膜が強い(剥がれにくい)
  • 乾燥が早い(すぐに次の色を重ねることができる)

 

塗り方①のデメリット

  • ラッカー系塗料を吸い込むと健康上良くない
  • 2層以上重ねるとき、修正が難しい(※1)

※1 第1層と第2層をラッカー系で塗装した後、ラッカー系溶剤を浸けた綿棒で第2層の色を部分的に消したいときに、第1層の色も消えてしまう恐れがあります。  

 

塗り方②:下地 → アクリル系

塗り方② 「下地」→「アクリル系」

下地の上にアクリル系を重ねる塗り方です。もっともオススメの塗り方ラッカー系の臭いが気になるのであれば、迷わず塗り方②を選びましょう。

参考リペイント動画(Resolution of Soldiers 悟空)では塗り方②を採用しています。

塗り方①と②は使用する塗料の種類が1種類しかありません。そのため、表現の幅は狭いですが、使う塗料を選ぶ手間と塗る時間を削減することができます。リペイントが初めての方におすすめ。とっかかりとして始めるには適度な難易度です。

塗り方②のメリット

  • 無臭(部屋に臭いがこもらない、無害)

 

塗り方②のデメリット

  • ラッカー系と比べると塗膜が弱い
  • 2層以上重ねるとき、修正が難しい(※2)

※2 第1層と第2層をアクリル系で塗装した後、アクリル系溶剤を浸けた綿棒で第2層の色を部分的に消したいときに、第1層の色も消えてしまう恐れがあります。

 

塗り方③:下地 → ラッカー系 → アクリル系

塗り方③ 「下地」→「ラッカー系」→「アクリル系」

塗り方①と②を合わせた塗り方です。下地の上にラッカー系を重ねた後、さらにアクリル系を重ねます(塗り方①の上にアクリル系塗料を重ねる)。

塗り方①と②のデメリットである「2層以上重ねるとき、修正が難しい」がないのが特徴です。ラッカー系塗料の上にアクリル系塗料を乗せるため、ラッカー系塗料を侵食しません。

参考動画(造形王ブルックMonster Hunter ティガレックス)では塗り方③を採用しています。

 

塗り方③のメリット

  • 塗膜が強い(剥がれにくい)
  • 乾燥が早い(すぐに次の色を重ねることができる)

 

塗り方③のデメリット

  • 塗料をたくさん購入する必要がある

 

塗り方④:下地 → ラッカー系 → アクリル系 → エナメル系

使用する塗料をさらに増やしたいならば

使用する塗料を増やしたいのであれば塗り方④もよく使われている塗り重ね方です。使用する塗料の種類が多いため、色の「層」の数が増え、多様な表現につながります。

ラッカー系の上からアクリル系を塗っていくので、基本の色(ラッカー)を汚すことなく、上層(アクリル)の修正することができます。同様に、基本の色(アクリル)を汚すことなく、上層(エナメル)を修正することができます。

また、塗り方①・②・③のデメリット(2層以上重ねるとき、修正が難しい)が塗り方③と④では解消されます。ラッカー系の上に重ねたアクリル系塗料を部分的に消したいとき、アクリル溶剤を浸けた綿棒で塗装面をこすっても、ラッカー系塗料が消える恐れがありません。

同様に、アクリル系の上に重ねたエナメル系塗料を部分的に消したいとき、エナメル溶剤を浸けた綿棒で塗装面をこすっても、アクリル系塗料が消える恐れがありません。

 

最低限の3ルール

塗料には塗り重ねることのできない3つの組み合わせがあります。覚えておきましょう。  

  1. アクリル系の上層にラッカー系は乗せられない
  2. エナメル系の上層にラッカー系は乗せられない
  3. エナメル系の上層にアクリル系は乗せられない

ラッカー系はアクリル系を浸食します。同じように、ラッカー系とアクリル系はエナメル系を侵食します。

 

まとめ

最後に、塗料を塗り重ねる方法をまとめておきましょう。

今回のまとめ
  • 塗料の塗り重ね方は4通りある
  • 塗り方①:下地 → ラッカー
  • 塗り方②:下地 → アクリル
  • 塗り方③:下地 → ラッカー系 → アクリル
  • 塗り方④:下地 → ラッカー系 → アクリル系 → エナメル

本記事は⑨塗料を希釈するも合わせて確認してください。

らに、本記事「塗料の塗り重ね方」の補足事項をまとめました。メタリック塗料と油絵具についての解説です。読み飛ばしてしまっても問題ありませんが、より詳しく知りたい方はご覧ください。