スタチューモデル リオレウスのリペイント作例を基に、ラッカー系塗料とエナメル系塗料をメインに使った塗装方法を解説します。
今回のテーマはスミ入れです!今回紹介する方法を真似するだけで、どんなフィギュアでも同じようにスミ入れすることができます。
スミ入れはフィギュアのリペイントにも使える塗装技法です。スミ入れはガンプラに限ったものではなく、フィギュアのリペイントにも適用できる技法であるということが分かります。
この記事はYouTubeでフィギュアのリペイント動画を投稿しているAtsuki Artチャンネルが監修しています。
リペイント動画はコチラ(YouTubeリンク)
【フィギュアのリペイント方法】モンハン『リオレウス』をスミ入れ塗装
下地塗装、トップコートはエアブラシ塗装です。白と黒(影)はエアブラシ塗装、赤はエアブラシと筆で塗装しています。色の塗り重ね方は「ラッカー系の上にアクリル系の上にエナメル系を重ねる」という方法です。
リオレウスはすべてラッカー系塗料、土台のアプトノスにはアクリル塗料を使いました。エアブラシを使用しましたが、缶スプレーでも同様のリペイントが可能です。
ただし、その場合は凹部分が埋まってしまわないよう、缶スプレーを遠くから薄く噴きましょう。厚く噴いてしまうと、スミ入れしても塗料が行き渡らなくなります。
使用塗料
赤と白の単純な塗装に見えますが、意外にも使用した塗料の種類は約10種類です。
①Mr.ベースホワイト1000 (GSIクレオス)
②ホワイト 光沢/1/ラッカー系(GSIクレオス)
③レッド 光沢/3/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
④つや消しブラック つや消し/33/ラッカー系(GSIクレオス)
⑤ブライトレッド 光沢/003/ラッカー系(ガイアカラー)
⑥ニュートラルグレーⅢ 光沢/073/ラッカー系(ガイアカラー)
⑦ニュートラルグレーⅣ 光沢/074/ラッカー系(ガイアカラー)
⑧スミ入れ塗料(ブラック) エナメル系(タミヤ)
⑨フラットレッド XF-7/エナメル系(タミヤ)
⑩フラットホワイト XF-2/エナメル系(タミヤ)
⑪ハルレッド XF-2/アクリル系(タミヤ)
⑫Mr.スーパークリアーUVカット つや消し(GSIクレオス)
全体手順
リペイントの手順はマスターリペイントが推奨している手順どおりです。
- (リペイントの工程を把握する)
- フィギュアの材質を確認する:PVC
- 使用する塗料を選ぶ
- フィギュアを分解する:頭部のみ分解。目・鉤爪・歯をマスキング
- フィギュアを洗浄する
- プライマーで下地塗装する
- ホワイトで下地塗装する
- 塗料を塗り重ねる:ラッカー塗料 → アクリル塗料 → エナメル塗料
- 塗料を希釈する
- 表面処理する:つや消しトップコート
では、パーツごとに塗装の手順(7,8)を見ていきましょう!
リオレウスのフィギュアをリペイントする手順
リオレウスを塗装する手順
使用塗料
①Mr.ベースホワイト1000 (GSIクレオス)
②ホワイト 光沢/1/ラッカー系(GSIクレオス)
③ブライトレッド 光沢/003/ラッカー系(ガイアカラー)
④レッド 光沢/3/基本色/ラッカー系(GSIクレオス)
⑤フラットレッド XF-7/エナメル系(タミヤ)
⑥つや消しブラック つや消し/33/ラッカー系(GSIクレオス)
塗装の手順
まずはじめに隠蔽力の高いベースホワイトで真っ白にした後、ホワイト(光沢)を薄く重ねます。スミ入れを行う前提として、光沢面を作る必要があるからです。もし、つや消し塗料の上にスミ入れをすると、塗料がにじんでしまいます。スミ入れの前には「つや消し塗料」ではなく「光沢塗料」で土台を作りましょう。
全体にベースホワイト(①)を広く薄くエアブラシ塗装。
全体にホワイト(②)を広く薄くエアブラシ塗装。
次に、赤を塗っていきます。
爪や背びれにブライトレッドとレッドを塗ります。動画ではエアブラシと筆の両方を使っていますが、マスキングする手間を考えると、エアブラシで塗装する必要はありません。筆塗装だけでも充分です。
爪と背びれなどへ、ブライトレッド(③)をエアブラシ塗装。(必要に応じてマスキング)
部分的(尻尾先など)にレッド(④)を筆塗装。
いよいよ、スミ入れです。エナメル系のレッドをエナメル系溶剤で希釈し、凹箇所へ筆先をチョンチョンと当てていきます。希釈の目安は エナメル系塗料:エナメル系溶剤 = 1:6 です。
厳密に「1:6」にしなくてもいいですが、スポイトなどで滴数を数えれば間違いないでしょう。土台のホワイトがうまく塗れていれば、気持ちよく赤が伸びていきます。
フラットレッド(⑤)をスミ入れ。
スミ入れが終わったら、綿棒にエナメル溶剤を浸けて軽くこすり、はみ出た赤を落としていきます。
最後につや消しブラック(ラッカー系塗料)で影をエアブラシ塗装します。翼と胴体の影となる箇所へ、つや消しブラック(⑥)をエアブラシ塗装です。
本当は、エナメル系塗料の上にラッカー系塗料を重ねるのはおすすめしませんが、うすーく微量の塗装なので「まあよし」としました。
以上でリオレウスは完成です。
土台(アプトノス)を塗装する手順
使用塗料
①Mr.ベースホワイト1000 (GSIクレオス)
②ニュートラルグレーⅢ 光沢/073/ラッカー系(ガイアカラー)
③ニュートラルグレーⅣ 光沢/074/ラッカー系(ガイアカラー)
④スミ入れ塗料(ブラック) エナメル系(タミヤ)
⑤ハルレッド XF-9/アクリル系(タミヤ)
⑥油絵の具 白 (ダイソー)
⑦油絵の具 黒 (ダイソー)
塗装の手順
全体にベースホワイト(①)を広く薄くエアブラシ塗装。上から隠ぺい力の高い黒系(グレー)の色を塗るため、ベースホワイトは薄く塗装しています。
ラッカー系塗料を重ねて、グレーのグラデーションを作りましょう。まずは、ニュートラルグレーⅢ(②)をエアブラシ塗装。
②よりも黒に近いニュートラルグレーⅣ(④)をエアブラシ塗装。
タミヤのスミ入れ塗料ブラック(③)をスミ入れ。タミヤのスミ入れ塗料ブラックは、スミ入れに適した希釈になっているので、エナメル溶剤を使う必要はありません。ビンから取り出して、そのままスミ入れしていきます。
綿棒にエナメル溶剤を浸けて軽くこすり、はみ出たスミ入れ塗料ブラック(③)を落とす。
ハルレッド(④)をドライブラシ塗装して完成です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。スミ入れはガンプラに限らない塗装手法です。今回のようなモンスター系フィギュアの身体から、ドラゴンボールやワンピースといった筋骨隆々のフィギュアにも使えます。
スミ入れの手順は3つ
最後にスミ入れの手順をまとめておきます。
- 光沢タイプの塗料(ラッカー系かアクリル系)でベースを作る
- エナメル系塗料とエナメル系溶剤を準備する
- エナメル系塗料:エナメル系溶剤 = 1:6 の希釈率でスミ入れする